学生の読書習慣育成で実験

電子図書館を活用

大日本印刷と武庫川女子大学、日本電子図書館サービス(JDLS)は、武庫川女子大学に電子図書館を導入し、学生の読書習慣の育成に向けた実証実験を実施している。大学内にある紀伊國屋書店のブックセンターや近隣書店とも連携し、電子書籍の閲覧が、紙の書籍の購買に繋がるかの効果検証も同時に行う。近年、学生の読書・活字離れが進んでいると言われている。全国大学生活協同組合連合会の調査によると、大学生の1日の読書時間は平均24.4分で、学生の約半数が1日の読書時間を「0」と回答するなど、読書離れの実態が浮き彫りになっている。こうした中、各大学はICT環境を整備し、スマホやパソコンでの読書機会の提供に取り組んでいる。
今回の実証実験は、自宅や学内のパソコンやスマートフォン、タブレット端末で、インターネットを通じて、電子書籍の検索・貸出・閲覧・返却ができるDNPの電子図書館サービスを利用。図書館利用者は、会員IDとパスワードを入力するだけで、電子書籍を検索して閲覧することができ、貸出処理を行うことで紙の書籍と同様に一定期間、特定のタイトルを閲覧できる。JDLSは、国内の多くの出版社から電子書籍の提供を受けており、電子書籍を閲覧できる回数や期間に制限を設けるなど、著作権者の利益に配慮しつつ、新刊本やベストセラーといった生活者に人気の高いコンテンツを提供。ネットワーク基盤構築を行うNTT西日本と連携し、電子図書館における学内のネットワーク基盤やクラウド環境でのサービスインフラの構築、サービスシステム、コンテンツまでトータルで提供する。
今回の実証実験は、「読書」そのものに焦点を当て、若年層が気軽に本へアクセスできる仕組みを提供することで、読書習慣を育成し、加えて電子から紙の本の購買に繋がることも期待される。

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