電子書籍配信会社が再編

メディアドゥが出版デジタル機構を傘下に

株式会社メディアドゥは4月2日、同業の株式会社出版デジタル機構を買収し子会社することを発表した。約80億円を投じて、産業革新機構から約70%の株式を取得する。電子コンテンツ配信専門会社のメディアドゥは書籍分野に強い出版デジタル機構を傘下に収め、電子コンテンツ分野を拡大すると共に、海外に日本のコンテンツを配信する事業を強化する。
出版科学研究所によると、2016年の日本の電子出版市場は1,909億円で前年比27.1%増。2020年度には3,480億円に拡大すると予測され、ジャンル別では「マンガ」が約80%を占める。
出版デジタル機構は講談社、集英社、小学館、大日本印刷、凸版印刷、KADOKAWA、光文社、新潮社、文藝春秋、インプレスホールディングス、筑摩書房、有斐閣、勁草書房、版元ドットコム、平凡社など出版・印刷大手が電子出版ビジネスの拡大を目的に2014年に設立された。幅広い出版社の取引先を持ち、特に文芸書、学術書などを中心としたテキストコンテンツを豊富に揃えている。
電子書店向けのサービスパッケージを得意分野にしているメディアドゥはテキストコンテンツを中心にアマゾン等も含めた幅広い取引先を持ち、業界全般のインフラ構築を志向する出版デジタル機構の間で相互補完関係を築き、シナジーを追求する。
今後は電子出版コンテンツ流通プロセスの合理化、電子書籍ファイル形式に関する知見の共有や出版社向けの情報発信、電子書籍コンテンツの販売や流通方式の多様化に向けたシステム対応、ビジネスモデルの開発促進などを進める。
またインターネットの普及拡大、IT化進展で電子出版ビジネスの海外展開は物理的には容易になり、著作権処理や翻訳等のビジネス展開など国際化対応も進める。

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