2017年の用紙需要もマイナス予測

電子化等の構造的要因が続く

日本製紙連合会はこのほど2017(平成29)年紙・板紙内需試算報告を発表した。
製紙連は、2017年、経済が緩やかな成長を続けると見込まれる中、段ボール原紙と衛生用紙は前年を上回ると予測。一方、グラフィック用紙は、電子媒体へのシフトやペーパーレス化等の構造的要因の影響が続くとし、紙・板紙全体の内需が前年を下回ると予測した。
紙・板紙合計は内需量が2,646万トン、前年に対して1.0%減、約26万トンの減少と試算。マイナス成長は7年連続となる。紙・板紙別寄与度は、紙が1.1pt減、板紙が0.2pt増と、紙のマイナスが全体を押し下げる。
印刷・情報用紙の内需は、2006年をピークに縮小を続けている。特にリーマン・ショック直後の2009年に大きく数量を落とし、2010年に1,000万トンを割り込んだ。2016年もマイナス幅は縮小したものの、減少基調が続く。
主要品種は、情報用紙が微増するも、印刷用紙(非塗工、塗工)が減少し、印刷・情報用紙全体では、10年連続の減少となった。サプライ別では、国内出荷(3年連続)、輸入(4年連続)ともに前年を下回った。輸入比率は、1.2pt減少の11.7%に低下した。
非塗工、塗工については減少で継続、情報は横ばいを見込んだ。品種別試算結果を積み上げると、内需量は845万トン、前年に対し2.5%減、約22万トンの減少となる。マイナス成長は11年連続。
品種別寄与度は、非塗工印刷用紙が0.7pt減、塗工印刷用紙は1.8pt減、情報用紙は0.0pt増と、印刷用紙を中心にマイナスとなっている。
製紙メーカー各社は今年4月から印刷用紙の値上げを発表している。用紙の価格上昇は印刷用紙の需要に大きく影響すると考えられる。印刷会社も市場がシュリンクしていく中で付加価値をいかに上げていくかが問われる。

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