企業の動き【2016年11月】

米国の新聞・出版用紙事業売却 ◆日本製紙

日本製紙は、米国ウェアーハウザー社との合弁で新聞・出版用紙事業を展開するノーバック社の保有持分の売却を決定した。第5次中期経営計画の中で事業構造の転換を目標に掲げ、その一環として北米で展開する印刷・出版用紙事業の戦略的見直しを行っている。北米における印刷・出版用紙事業の見直しを進めるにあたり、同社はノーパック社の持分売却に伴う損失約90億円について、平成29年3月期第2四半期決算において特別損失として計上する見込み。

マツオカと三幸をグループに ◆小松印刷

小松印刷は、9月28日、香川県綾歌郡宇多津町の株式会社マツオカと有限会社三幸をグループ会社とし、同社専務取締役の山地準一氏が両社の代表取締役に就任したことを発表した。2社のグループ会社化を通じて、グループのネットワークを生かし、より優れた顧客サービスを提供する。

マルコム事業の3子会社統合 ◆大日本印刷

大日本印刷は、情報コミュニケーション部門のマーケティング・コミュニケーション事業の強化・発展を図るため、同事業に関わるグループ会社3社を統合した新会社「株式会社DNPコミュニケーションデザイン」を設立した。新会社は、3社の業務を統合し、新たな体制のもとで連携を深め、相乗効果を高めることで事業を拡大していく。今回統合する3社は、DNPメディアクリエイト、DNPデジタルコム、DNP映像センター。

耐ピンホール性備えたフィルム ◆凸版印刷

凸版印刷は、透明バリアフィルム「GL BARRIER(ジーエルバリア)」で、従来のレトルト食品向けバリアフィルムに耐ピンホール性を付与した新製品「強靭化GL FILM(GL-AR-MG)」を開発。レトルト食品向けのバリア包材として今年の冬にサンプルを出荷、来年3月より販売を開始する。新製品は、レトルト食品向けバリアフィルムとして展開する「GL FILM(ジーエルフィルム)」の酸素バリア性・水蒸気バリア性などのバリア性能はそのままに、基材のPETフィルムを改良し、ナイロンフィルムの性能に近づけた独自の強靭フィルム。

紙器製品で合弁事業会社設立 ◆共同印刷

共同印刷は、日本製紙と、ラップカートンやティシューカートンなどの紙器製品を製造する新合弁事業会社を設立することで合意した。新合弁事業会社は同社守谷第一工場(茨城県守谷市)の敷地内に設立し、同工場で製造しているラップカートンなどの紙器製品と、日本製紙グループの草加紙パックが製造している日本製紙クレシアの東京工場向けティシューカートンの製造を引き継ぐ。

グラシン使用のカレンダー ◆リプラグ

デザイン文具・雑貨ブランド『リプラグ』(運営テイ・デイ・エス)は、新商品の2017年カレンダー『グラシンペーパーカレンダー』を発売した。超薄紙のグラシン紙に4色印刷を施した壁掛けカレンダーで、2013年カレンダーを発売以来、毎年絵柄を変えてリニューアルしている。薄いグラシン紙に4色印刷を施し、上部を帯で綴じ、ミシン目を入れる加工をするという難易度の高い印刷・加工技術が用いられている。紙の特性を活かし、暦のページと絵柄のページの2枚で1ヵ月分になっており、暦のページの下から絵柄が透けて見える。

年賀状印刷サービス開始 ◆筆まめ

年賀状作成ソフトを開発する筆まめは、12月1日から、はがきの購入・印刷・投函までが一括でできるサービス『筆まめネットプリント』を開始する。年賀状ソフト「筆まめVer.27」、ネットで年賀状が作れる「Web筆まめ」、年賀状作成アプリ「Web筆まめ for iPhone/for Android」から申し込みができる年賀状プリントサービス。自分で年賀状をデザインし、インターネット上から申し込むだけで、年賀はがきの購入、デザイン面・宛名面の印刷、投函まで一括で提供する。自宅への配送も可能。130円(税抜)/1枚(はがき代+宛名面・デザイン面両面印刷+投函費用含む)

児童向けワークショップに協賛 ◆日本写真印刷

日本写真印刷が協賛する児童向けワークショップ「第10回京都洛北 まちくさみっけ!」が10月20日に、京都大原 寂光院(京都市左京区)で開催される。第10回となる今回は、小中一貫校 京都大原学院3・4年生16人が参加する。同ワークショップは日本写真印刷が社会貢献基本方針に掲げている「環境保全」「将来世代支援」を目的に、NPO法人子どもとアーティストの出会いと協働で実施しているプログラム。寺社の庭園を撮影し、カードなどを作るもので、子供たちに環境とアートに触れてもらう。京都洛北地域の30の神社仏閣で構成するNPO法人京都洛北・森と水の会の主催で行われている。

消せるポスターの販売を開始 ◆HTC

欧文印刷の関連会社であるハイテクノロジー・コミュニケーションズ(HTC)は11月1日より「消せる紙ポスター」の販売を開始した。「消せる紙ポスター」は、ホワイトボードと同じように「書く、消す」ことができ、見る人に伝えたいメッセージを書き込むことで完成するポスター。メッセージは書き換えることができるので、1枚のポスターを様々な用途に利用することができる。第一弾は、コンプライアンスの意識啓発での利用をイメージしたポスターを用意した。

エコペーパーファイル本格展開 ◆イデア

イデア(東京都墨田区)はこのほど高彩度で印刷した紙製のファイル「エコペーパーファイル」の本格展開を開始した。高彩度トナーを利用したオンデマンド印刷機で印刷されており、少部数からの受注にも対応する。PPを利用したクリアファイルよりも安価で、低コストでバリアブル印刷や名入れ印刷も受託する。濃度を落として裏面に印刷することで透明感を有している。サイズはA4、A5、A6の3種類。再生紙を使用しており、環境にもやさしい。特許取得済み。

特殊効果印刷技術を開発 ◆SO-KEN、東京リスマチック

特殊色材インクの開発を手掛けてきたベンチャー企業のSO-KENと、東京リスマチックは、このほど印刷技術「リフレクト印刷S」を共同開発し、受注サービスを開始した。「リフレクト印刷S」とは、再帰反射の技術を応用した業界初の印刷技術で、光をあてることで、通常時とは異なった情報を写し出す特殊な印刷方法となる。オンデマンド印刷による技術を確立した結果、1枚単位から生産が可能。そのため、1枚1枚情報が異なる中ロット生産も可能となるため、同一のイベント会場などにおいて、印刷物の設置場所によって異なる情報を表現、発信することもできる。

和紙の情報サイトオープン ◆オオウエ

和紙製品や原紙を扱う「うるわし」を運営するオオウエ(大阪府大阪市)は、和紙の情報を提供するオンラインストアをグランドオープンした。「うるわし」は、日本で一番「顔」の見える和紙専門の販売サイト。和紙製品の販売だけでなく、商品紹介や特集記事などを通し、同社4代目・大上博行氏をはじめ、和紙メーカーやデザイナー、印刷会社が和紙の面白さを伝える。

販促ネットショップを刷新 ◆大同紙工印刷

大同紙工印刷が運営するプラスチックシートから作るアイデア販促品・ノベルティ・オリジナルグッズの小ロット対応サイト『大同ネットショップ』は、このほどサイトをリニューアルした。リニューアルでは取扱商品を見直すとともに、情報が探しやすく、読みやすいサイトを目指し、構成やデザインを刷新している。

drupa受注機種の設置完了 ◆HP

HPは今年5月31日から6月10日までドイツ・デュッセルドルフで開催されたdrupa 2016で受注した300台以上の「HP Indigoデジタル印刷機」の設置が完了したと発表した。drupa 2016で成約した「HP Indigoデジタル印刷機」はほとんどの納入が完了し、本格的な稼動を開始している。Shutterfly、Cimpress、MonAlbumPhoto、Pureprint、Precisi on Printing、Rotolito Lombarda、Truyol、Pageworksをはじめとする各社が、ホリデーシーズンの需要に対応するために、HPのフラッグシップモデルであるB2判対応の「HP Indigo 12000デジタル印刷機」の高い品質と生産性を最大限に活用しているという。

JBFAとパートナー契約 ◆コニカミノルタ

コニカミノルタジャパンは、NPO法人日本ブラインドサッカー協会(JBFA)と、サプライサービスパートナー契約を締結した。2014年世界選手権以降の主要大会で、JBFAは、障がい者や一時的に体の機能が低下している人にも試合観戦を楽しんでもらうためのサービスやサポートツールを提供する「リレーションセンターTASKAL」を設置。視覚に障がいのある人が触って分かる触地図を提供するなど、観戦環境の整備を行っている。今年7月に開催された日本選手権では、コニカミノルタジャパンの印刷機で触地図を作成し、来場者に提供。同社では視覚的な情報を立体化することで視覚障がい者をサポートするシステムを販売している。

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