企業の動き【2016年10月】

日本出版販売へ文教堂株式を譲渡 ◆大日本印刷

大日本印刷は9月12日開催の取締役会で、文教堂グループホールディングスの普通株式について、同社が保有する株式の一部を日本出版販売に譲渡する契約の締結を決議したと発表した。また、連結子会社である丸善ジュンク堂書店は文教堂の普通株式について、保有するすべての株式を日販に譲渡することを決議した。今回の株式譲渡により、文教堂に対する議決権所有割合は51.86%から、23.74%となり、文教堂は大日本印刷の連結子会社から持分法適用会社となる。

50㎏荷重の段ボール什器 ◆大日本印刷

大日本印刷は、最大50㎏までの重さに耐えられ、外装を部品として利用する廃棄ゼロ設計で、設置や撤去が容易な段ボール製什器「DNP外装兼用販売台 エコデス ストロング」を開発した。2016年10月に販売を開始する。スーパーやドラッグストアなどの商業施設のほか、空港や駅などで国内外の物産展や各種イベントでは、商品を大量に陳列したり、効果的に訴求したりするために、専用の什器を使用したいとの要望がある。こうしたイベントは催事期間が短いことが多く、多くの商品を陳列できる耐荷重製に優れるとともに、催事に合わせて簡単に設置や撤去ができる什器が求められていた。同社ではそうしたニーズに応えた。

印刷博物館、来場者50万人 ◆凸版印刷印刷博物館

凸版印刷が創立100周年を記念して2000年に設立した、文化施設の印刷博物館(東京都文京区)の累計来館者が9月6日に、50万人に達した。50万人目の来館者は、9月6日午前11時15分頃に来館した山口県岩国市の廣本詩織さん(19歳)と木村春花さん(19歳)の2名。「印刷博物館には初めて来ました。50万人目ということで驚きましたが、たいへん嬉しいです。歴史が好きで、徳川家康の駿河版銅活字に興味を持ちました」と述べたという。50万人目の2名には印刷博物館から記念品として、同館の樺山館長よりギネスワールドレコーズに世界最小の印刷本として認定されたマイクロブック「四季の草花」と次回企画展「武士と印刷」の招待券を、凸版印刷の足立会長よりヴァチカン教皇庁図書館展図録を、金子社長よりグーテンベルク42行聖書Tシャツが贈呈された。また、印刷工房で名前を組んだ認定証(1年間有効入館券として活用)を印刷して渡した。

包装資材サイトでキャンペーン ◆高桑美術印刷

各種ラベル・パッケージ製造の高桑美術印刷(石川県金沢市)が運営する通販サイト「パケラボ」(http://plabo.wave.jp/)では、『オープン6周年記念!秋&ハロウィン商品ポイント2倍キャンペーン』を実施している。パケラボは洋菓子・和菓子用を始めとした包装資材のオンライン通販サイト。クッキーやチョコレートをはじめ、ケーキ類や和菓子、各種雑貨類の演出に欠かせないギフト箱やラッピングを、常時600点程度取り扱っている。キャンペーン期間中は、ハロウィン&秋向けの各種包装材(不織布製ラッピング、クリアケース等)を対象に、ポイントが2倍となる。

デジタル印刷のラボ開設 ◆日経印刷

日経印刷(東京都千代田区)は、8月に同社のフラッグシップ工場であるグラフィックガーデン(東京都板橋区)内に、小ロットに最適なデジタルプリント・オンデマンド(POD)印刷に対応するデジタルプリントラボラトリー「G- LABO」を本格オープンした。それに伴い同社では、9月8日、G- LABOでの印刷実感見学会として定例の工場見学会を開催し、顧客先やデザイナー・クリエイターなどにも披露した。

少量ポケットティッシュ印刷 ◆神広企画

神広企画(神戸市中央区)が運営するポケットティッシュ本舗は、コスト高だったポケットティッシュのフィルム外装印刷で、製版を使わない印刷方式を導入することに成功し、最小ロット5,000個からの受注を可能にした。オンデマンド印刷方式ではポケットティッシュの構造上、印刷することが難しかったが、同社ではポケットティッシュ外装への印刷に成功し、約7万円の大幅なコストダウンと、従来の半分である5,000個からの対応を実現した。納期は約3~4週間。価格は6枚入でフルカラー印刷、5,000個で133,500円。

水現像フレキソ版を導入 ◆英国・MPH社

パッケージ印刷分野でプリプレスサービスを提供する英国エセックスのMPH Ltd(MPH社)は、今年6月のdrupa 2016で、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(FFGS)の水現像フレキソ版『FLENEX FW』の導入を決定した。英国企業として初のFLENEXユーザーとなる。MPH社取締役のブライアン・カードロン氏は「実際に版を見て、『FLENEX FW』は私たちがお客様のご要望に応える上で、最適なフレキソ版であり、当社のビジネスに様々なメリットをもたらしてくれると確信した。当社のポートフォリオにこの製品を加えることができたことを嬉しく思う。当社は短納期対応を大きな強みとしており、お客様もその点を高く評価して下さっている。私たちは、そうしたお客様の期待に応え続けるのに役立つかどうか、という観点で、新たに導入する製品を選定した」と述べている。

工場電力を風力発電でカバー ◆欧州・富士フイルム

CTPプレートなどの生産を担うFUJIFILM Manufacturing Europe B.Vのチルバーグ工場は、このほど工場の全電力をすべて風力発電でカバーすることが可能になった。富士フイルムグループは地球温暖化防止のために、製品ライフサイクル全体にわたってCO2排出量削減に力を入れている。その一環として、世界の各拠点で再生可能エネルギー(グリーンエネルギー)の活用にも取り組んでいる。

簡単にリーフレット作成 ◆コンテンツワークス

コンテンツワークス(東京都千代田区)が運営するパンフレット作成サービス「MEME PAPER(ミームペーパー)」は、新しいアイテムとして「リーフレット」の提供を開始した。MEME PAPERは、デザイン経験がなくてもパソコンやスマートフォンで、パンフレットやカタログがつくれるサービス。「捨てられない、リーフレット」を目指し、通常よりも厚めの用紙を採用するとともに、上質とデザイン性を追求した。豊富に揃ったデザインテンプレートに写真や文字をあてはめるだけで、誰でもすぐに完成させることが可能になる。

国内コピー・プリント市場縮小 ◆IDC Japan

IDC Japanは、国内コピー/プリント関連機器(レーザー機器、インクジェット機器、LFP:Large Format Printer、スキャナー)の市場動向、およびページボリューム(出力ページ数)の動向を発表した。2015年の国内コピー/プリント関連のハードウェア総売上額は9,234億円(前年比成長率1.4%)だった。また、2015年の国内ページボリュームは、3,366億ページ(前年比成長率0.9%)。IDCでは、国内コピー/プリント関連ハードウェア市場の2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR)をマイナス1.4%、2020年の市場規模を8,624億円と予測している。また、国内ページボリュームの2015年~2020年のCAGRをマイナス2.0%、2020年には3,046億ページになると予測している。

GPマーク普及準大賞受賞 ◆笠間製本印刷

笠間製本印刷(石川県白山市)は9月12日、一般社団法人日本印刷産業連合会(日印産連)主催の「GPマーク普及大賞」で「2016 GPマーク普及準大賞」を受賞した。日印産連が新たに設けたGPマーク普及大賞は、環境適応の印刷物に表記するGP(グリーンプリティング)マークの表示にもっとも貢献したGP認定工場を他の工場の模範として表彰するもの。2016 GPマーク普及準大賞は、2015年度(2015年4月から2016年3月まで)にGPマーク表示印刷製品を多く受注し、GPマーク普及に貢献したGP認定工場(印刷会社)に授与される。

ブックオンデマンド本格開始 ◆ウイル・コーポレーション

販促用印刷物の企画、提案、製作のウイル・コーポレーション(石川県白山市)は、出版印刷分野の業務拡大を目指し、HPのインクジェットデジタル印刷機「HP PageWide Web Press T490 HD」の導入を決定した。併せて、ミューラー・マルティニの最新デジタル製本システム「シグマライン2」および「アレグロ・デジタル」全自動製本ラインの採用を決めた。新設備は来年3月を目処に稼動を開始する。これらの設備により、新サービス「W-BODサービス」を立ち上げ、ブックオンデマンド事業を本格展開する。同社ではすでに高速インクジェット機を導入しているが、新設備で生産性を向上させる。

マーケティング専門家育成 ◆フュージョン

ダイレクトマーケティング・エージェンシーのフュージョン(札幌市)は米国Direct Marketing Association(DMA)と提携し、DMAが公認する「ファンダメンタルマーケター」を認証する資格取得プログラムを提供する新事業を開始する。同認証は、DMAが体系的に培ってきたマーケティング手法と考え方を学んだ受講生に対し、試験で合格した者に付与するもの。同プログラムは米国で年間3,500人以上が受講している。消費者のライフスタイル、ニーズの多様化やチャネルの複雑化により、マーケターに求められるスキルが高度化する中で、ますます高まる企業のマーケター育成の課題に応える。

10面封書型圧着DM ◆小松総合印刷

小松総合印刷(長野県伊那市)はダイレクトメールツールの新製品「10面封書型圧着DM」を発表した。展開585㎜×235㎜の情報量で、封書サイズで提供する。開封するとインデックスが現れ、開きやすく、読みやすい仕様なっている。新製品は広げると封書約10ページ分という大量の情報を掲載することができる。次々とページを広げていく構造となっており、ストーリー仕立ての販促も可能となる。宛名の他に中面へのバリアブル印字も受け付ける。

地域密着のクーポンブック ◆読売IS

読売ISは、地域企業と消費者が繋がる本「プレミアムパスポート~浅草へ行こうよ~Vol.7」を発売した。地域密着体験型のスペシャルクーポンブック「プレミアムパスポート~浅草へ行こうよ~Vol.7」は「浅草を半額で愉しむ」、「厳選88店舗掲載」、「総額35万円以上お得になる」をキーワードに読者が実際に地域、店舗を訪問し、体験することを目的としている。対象は30~40代の女性。クーポンの有効期間中はプレミアムパスポートを提示すると、掲載店舗のサービスが半額になる。

東京営業所を開設 ◆ヤマト

デジタル印刷周辺機器販売のヤマトは台湾・SYSFORMの製本機器の全国総販売元になった。それに伴いヤマトはこのほど、東京営業所を開設するとともにショールームを設置する。SYSFORMの製品には小型の無線綴じ機(横のり付)50B(A4)、60B(A3)などがある。
【東京営業所】東京都江東区東雲1-9-31、電話・FAX 03-3531-7019

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