メディアミックス戦略やブランドの再構築で堅調

市場規模は2兆4,282億円、2016年も拡大へ

ゲーム誕生から20周年を迎える"ポケモン"は、AR技術によって大ブームを再来させた。矢野経済研究所のキャラクタービジネスに関連した調査によると、2015年度の国内キャラクタービジネス市場規模(商品化権、版権)は、前年度比100.6%の2兆4,282億円でほぼ横ばい。大ヒットキャラクターには恵まれなかったが、定番キャラクターへの回帰や様々なメディアを利用してキャラクターの発信力を高め、目新しさを訴求し維持するメディアミックス戦略が強化され、キャラクターの長寿命化が図られ底堅く推移した。
キャラクタービジネス市場は、商品化権(商品に付帯してキャラクターを使用する権利)と、版権(出版権、広告宣伝やイメージキャラクターとしての使用権など)で構成される。商品化権の市場は、前年度比99.6%の1兆2,282億円、版権市場は同101.7%の1兆2,000億円。商品化権市場については、48.4%と大きなシェアを占める玩具が苦戦したことで全体では後退したが、大人向け商品の強化を進めている衣料品や服飾雑貨の分野ではプラスで成長した。アニメなどの登場人物をファッションモデルに見立てたオリジナル商品の開発や、実店舗に並ぶ商品でのコーディネイトの考案、作中に実店舗の衣料品などを登場させるなどの取り組みも奏功した。
一方、版権市場は広告宣伝費の増加を追い風に、定番キャラクターを顧客層別に新たな見せ方で訴求するなどのブランドの再構築の強化や、セールスプロモーションにおけるキャラクターの積極活用を推進し、プラスで成長した。
2016年度も、熱心なファンの支持を得ているアニメ作品の広がりや、定番キャラクターの新しいプロモーション活用などにより堅調な推移が想定され、市場規模は前年度比100.7%の2兆4,456億円を予測している。

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