1冊から印刷して出荷する
プリント・オン・デマンドプログラムをスタート
Amazon.co.jpは、プリント・オン・デマンド(POD)プログラムをサービスの一つとしてスタートさせた。これによりAmazon.co.jpでは、顧客の注文に応じて1冊からでも迅速に本を印刷し、出荷することが可能となった。PODプログラムの採用により、書籍の品揃えが大幅に拡大され、出版社にとっては流通コストを抑えた費用対効果のよい方法であらゆる作品を販売できるようになるとしている。
PODプログラムが適用された書籍は常に出荷可能な「在庫あり」の状態であることから、購入を希望する顧客は「Amazonプライム」や「お急ぎ便」をいつでも利用できる。
一方の出版社にとっては、PODプログラムを活用することで、絶版本や希少本、特注本、外国語や大活字版など、従来であれば比較的コストが掛かっていた商品も低コストで提供できるようになる。加えて大量の部数を印刷するリスクと、在庫を保管する費用が不要になるなど収益の改善も期待できる。特に海外の出版社の場合、日本への発送や日本国内における在庫を抱える費用やリスクが削減されることから、日本での販売を目指す海外の出版社にも役立つサービスとして提供されている。
すでにAmazon.co.jpのPODには、ケンブリッジ大学出版局、Taylor&Francis、British Library、Macmillan、シュプリンガー社を始めとする世界各国の大手出版社が参加している。対象書籍は、開始当初は洋書から取り扱い、順次和書にも拡大していく。現時点で、日本では、60万冊以上の書籍が対象となっている。
なおAmazon.co.jpでは、出版社が提供するPOD用PDFファイルを一定期間無料でセットアップする。印刷やスキャニング費など出版社が負担するコストをなるべく低く抑え、提供していきたいとしている。