高成長が見込まれる新興国ASEANの印刷市場

インド6.8%、フィリピン7.5%、インドネシア11.2%

日本の印刷産業機械の海外市場戦略に関する調査報告書によると、国内や欧米が成熟化する中で、ASEAN諸国など新興国市場の需要増加が見込まれている。
一般社団法人日本印刷産業機械工業会は、成長が期待されるアジアの振興策として平成25年度に中国とインド、平成26年度にインドネシアとベトナムの印刷市場の調査研究を行ってきた。平成27年度は中国、インドを含めたASEAN主要7か国インドネシア、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、タイ、シンガポール、フィリピンの印刷産業を調査した。
実質GDP成長率が高い中国は、労働力が以前よりも高価になり、一人当たりのGDPが低いインド、フィリピン、インドネシア、ベトナムなどの東南アジアが印刷市場を牽引する形へ変化している。
人口12億3,800万人のインドの印刷市場は2012年から年平均6.8%の成長率を記録。2017年には293億430米ドルの市場へと成長すると見込まれる。印刷市場における売り上げはパッケージ印刷、出版印刷、商業・広告印刷の順で、ラベル・タグ印刷は年率11%の成長が見込まれている。人口9,480万人(2013年)のフィリピンの印刷市場は2012年度の12億570万米ドルから5年間で17億3,100万米ドルにまで7.5%の成長が見込まれている。
人口2,930万人のマレーシアの印刷市場は2012年から2017年にかけて年平均3.3%成長、人口2億5,000万人のインドネシアは2012年度から2017年にかけて11.2%の成長が見込まれている。人口6,700万人のタイは2.6%の成長が、人口8,960万人のベトナムは4.2%の成長が見込まれている。シンガポールの印刷市場は2012年からの5年間は年平均4.3%の成長が見込まれている。ASEAN諸国ともパッケージ印刷と段ボール印刷の売上比率が高いのが共通点である。

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