介護離職を防ぐ施策始まる

積極的な取り組み推進で助成金

内閣府の発表によると、2014年10月1日の統計で、日本の総人口は1億2,708万人。そのうち65歳以上の高齢者人口は3,300万人で、総人口に占める割合(高齢化率)が26.0%と過去最高を記録した。特に「65~74歳人口」は1947年から1949年生まれの「団塊の世代」が65歳に達し、総人口の13.4%を占め1,708万人となった。
高齢者人口は今後、2015年に3,395万人、団塊世代が75歳以上になる2025年には3,657万人になると見込んでいる。少子高齢化がさらに進めば、高齢化率はさらに上昇し、2035年に総人口に占める割合は33.4%と3人に1人が高齢者となる。2041年以降になると高齢者人口は減少するが、その比率が上昇し、2060年には約2.5人に1人が65歳以上の高齢者になる社会が訪れると推計されている。
高齢化率が上昇することで、働き手は仕事と介護を両立しなければならないリスクが高まっている。多くの働き手が親の介護を理由に退職するケースや、出産、育児を無事に終え、職場へ復帰しようとした矢先に、親が倒れ、介護が必要になることもある。
このため厚生労働省は育児休業の促進だけでなく、平成28年度の両立支援等助成金の中で、「介護支援取組補助金」を新設した。同補助金は厚労省が作成した「介護離職を予防するための両立支援対応モデル」に基づく取り組みで、厚労相の指定する資料に基づいて、①従業員の仕事と介護の両立に関する実態把握(社内アンケート)②介護に直面する前の従業員への支援「社内研修の実施、リーフレットの配布」③介護に直面した従業員への支援(相談窓口の設置及び周知)の取り組みを行った企業に対し、1回のみ60万円を支給する。
同助成金をきっかけに仕事と介護を両立する風土づくりを促し、超高齢化社会に対応した新しい労働環境の構築を目指している。

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