2020年デジタル教科書導入へ

初中等教育の採用計画を推進

学校の教科書を電子化し、タブレットPCなどで学習する「電子教科書」の動きが加速している。2011年に文部科学省から「教育の情報化ビジョン」が発表され、2020年までに初中等教育で電子教科書を使えるようにする目標を揚げて取り組まれている。教育ICTに取り組む外部国体DiTTからは「教育情報化・推進法」も発表されている。
文部科学省では、「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議を定期的に開催し、着々と計画を進めていく考えだ。検討会議の報告書によると、デジタル教科書について、紙の教科書にはない動画・音声等のコンテンツや拡大・書き込み等の機能の活用により、児童生徒の学びの充実を図ることができるといった意見がある。その一方、書く力・考える力の育成につながらないのではないか、あるいは健康への影響や長時間の使用による依存症等への懸念なども意見として上がっている。
こうした意見を反映して、デジタル教科書と紙の教科書では、見込まれる効果が学習内容によって差異があると想定し、併用する方向での提案が考えられている。
併用の在り方としては、①紙の教科書を主たる教材として使用し、必要に応じて、副教材としてのみデジタル教科書を使用する、②紙の教科書を主たる教材として使用することを基本としつつ、学習内容に応じて教科の一部(単元等)の学習にあたって、デジタル教科書を紙の教科書に代えて使用する、③デジタル教科書を主たる教材として使用し、必要に応じて、副教材としてのみ紙の教科書使用するという3つが挙げられている。
このほか紙の教科書とデジタル機器としてのデジタル教科書の内容が同一でよいのか、ネットワーク環境整備についての課題なども浮上。具体的な課題を一つずつ解決していく必要があるようだ。

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