企業の動き【2016年4月】

空間で除電、作業効率アップ ◆水上印刷

水上印刷はこのほど、TRINC社の無風除電装置「空間TRINC」を導入し、稼働を開始した。2月25日、東京都西多摩郡の多摩工場で会見を開き、「空間 TRINC」の導入効果を発表した。導入した「空間 TRINC」は、イオンエンジン方式で二本の柱型の装置からプラスとマイナスのイオンを発生させることで、広範囲にわたり無風の除電空間を作り出す。水上印刷は昨年5月、東京都中小企業振興公社のビジネスマッチング事業で、TRINC社と出会い、印刷会社で長年の課題となっている静電気対策として、同社の「空間 TRINC」のフィールドテストを実施した。

100周年プロジェクトを企画 ◆石田大成社

石田大成社は今年5月5日、創業100周年の大きな節目を迎える。同社では100周年プロジェクトを企画し、記念式典や社史編纂、社会貢献などを予定している。同社は大正5年5月5日、活版印刷業として創業。100周年プロジェクトでは①国内4地区、海外4都市での記念式典、②社史編纂とビデオ制作、③クライアント・社員への記念品、④記念のモザイクアートの作成、⑤新聞・テレビ・雑誌などでの広報・PR、などを準備、実施している。

高色調のデジタル印刷機 ◆日写コミュニケーションズ

日本写真印刷コミュニケーションズは、オフセット印刷と同等の色調再現が可能なカラーデジタル印刷システムを開発し、小学館が刊行する豪華美術書『Eternal Collection 2016・春』に採用された。同社開発の高品質カラーデジタル印刷システムは、デジタル印刷機の独自カスタマイズと永年培った製版技術を基にしたソフトウェアの組み込みにより構成されている。

インクジェット事業売却へ ◆コダック

イーストマン・コダック社はこのほど、エンタープライズインクジェット事業とシルバーメタルメッシュタッチセンサー事業についての戦略的決定事項を発表した。現在、コダックはKodak Prosperエンタープライズインクジェット事業の売却について、Prosperプレスプラットフォーム、Prosper Sシリーズインプリンティングシステム、その他関連製品を含めた協議を売却候補先と進めている。

水性インクジェットに参入 ◆花王

花王はこのほど、VOCレス設計で環境負荷を低減した水性インクジェット用顔料インクを開発し、世界初のインク技術で軟包装用フィルム印刷を実現した。同技術をもとに産業印刷分野への新規参入を発表した。新開発の顔料インクは、機能性ポリマーで顔料をナノサイズでカプセル化する顔料ナノ分散技術、界面制御技術によりフィルムに対応する水性顔料インク設計技術、シンク・ラボラトリーと協業した軟包装フィルムの高画質化を達成するインクジェットプリンターの開発の3つの技術から構成する。

3年連続でなでしこ銘柄 ◆トッパン・フォームズ

トッパン・フォームズは、3月16日に女性活躍推進に優れた企業として、経済産業省と東京証券取引所から「なでしこ銘柄」に選定された。同銘柄への同社の選定は、3年連続。なでしこ銘柄は、「女性活躍推進」に優れた上場企業を「中長期の企業価値向上」を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介することを通じて、企業への投資を促進し、各社の取り組みを加速化していくことを狙いとしている。

自然エネルギーの電子看板 ◆大日本印刷

大日本印刷は4月1日、太陽光発電、風力発電、蓄電池を組み合わせた自然エネルギーシステムを搭載し、省エネルギー型のデジタルサイネージ(電子看板)を発売する。省エネ型のサイネージは、災害時の緊急情報の発信や安否確認などができ、防犯カメラの搭載が可能で、安全な街づくりを目指した防災・防犯対応のデジタルサイネージ。風力発電と太陽光発電を搭載したハイブリッドタイプと太陽光発電のみのスタンダードタイプの2種類をラインアップしている。

地方創生コンソシアムに参画 ◆共同印刷

共同印刷は、エイチ・アイ・エスを発起人として3月1日に設立した「地方創生・観光プロモーションコンソーシアム」への参画を表明した。同社は、多言語・オムニチャネル対応の販売促進ソリューション「MY SHOPPING CONCIERGE(マイ・ショッピング・コンシェルジュ)」など、増加するインバウンド需要にも対応した接客支援ソリューションを提供する。「地方創生・観光プロモーションコンソーシアム」は、自治体・観光協会と連携して、魅力ある観光資源を国内外に知らしめ、異業種企業とともに地方創生・心豊かな生活に寄与することを目的に設立された。

店内照明で駆動の電子ペーパー ◆凸版印刷

凸版印刷は、屋内の光だけで駆動できるリユース可能な店頭販促向け電子ペーパーPOPを開発した。スーパーやドラッグストアなどの店頭販促向けPOPとして、2016年度内のサンプル出荷を目指す。新製品は、電子ペーパーの白黒表示切替を応用して、電子ペーパーをバックライトのように配置し、ソーラーパネルからの電力だけで駆動する店頭販促向けPOP。凸版印刷が長年培ってきた電子ペーパーの駆動技術を活かし、ソーラーパネルの電力での駆動を実現した。

パウダーレスインキ伸長 ◆TOKA

T&K TOKAは3月15日、埼玉県入間郡三芳町の本社で、パウダーレスインキ「ベストワン キレイナ」の2015年度実績と2016年度販売戦略を発表した。「ベストワン キレイナ」はパウダーを使用しなくても、ブロッキングや裏移りしない油性インキ。インキに含有された真球状のビーズが印刷直後に隙間を作り、パウダーの役目を担う。また印刷直後にインキ表面を改質し、セット乾燥時間を短縮する。2015年度は前年度比で採用件数が2倍となる300件、販売量が7倍となる月60tと大きく伸長。他社からの切り替えが進んだほか、1件当たりの使用量が増えた。

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