例年通りの展示会開催へ要望書と署名活動

東京ビッグサイトのオリンピック問題

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催で沸き立つ一方で、一般社団法人日本展示会協会(日展協)は、10月22日に東京都が「東京ビッグサイトは2019年4月から2020年11月までの20ヵ月間、オリンピックのメディア施設として全面的に使用される」ことを公表したことを受け、ホームページ上で全展示会が例年通り開催できるよう署名活動を開始した。
「オリンピック2020年会場問題」は、これまでも経済的な影響が懸念されてきた。印刷業界でも同人誌印刷の売上のほとんどを占める「コミックマーケット」は、毎年夏と冬に東京ビッグサイトで開催されている。これらのイベントが開催できなくなる影響は、同人誌印刷業の売上を大きく減少するのではという声も上がっている。
日展協によると、東京ビッグサイトを使用していた数々のイベントが中止、または会場の変更を余儀なくされることで、出展企業をはじめ多数の展示会関係者から「倒産などが続出し、大きな社会問題になる。国立競技場の問題よりはるかに深刻」という声が寄せられているという。
日展協では、東京オリンピックの成功と同時に、ビッグサイトの全展示会を例年通り開催できるよう、「メディア施設を東京臨海広域防災公園に新設すること」を要望する公式声明文を発表。東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣の遠藤利明議員に要望書を提出した。ホームページ上でも賛同者の署名を集めている。
http://www.nittenkyo.ne.jp/article/15247899.html
東京ビッグサイト公式記録によると、年間約9万社の企業が約300本の展示会に出展。約3兆円の売上を上げている。20ヵ月間では、500本の展示会で5兆円の規模になると推定。関連企業にもたらされる約5,000億円の直接経済効果に影響を及ぼすとしている。

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