情報セキュリティの国家試験開始

約8万人の人材不足解消へ

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は、平成28年4月から国家試験「情報処理技術者試験」の新たな試験区分として経済産業省が創設した「情報セキュリティマネジメント試験」を実施する。
経済産業省によると、この1年間で、日本に対するサイバー攻撃件数は2倍以上に急増している。IT空間の拡大とともに、サイバー攻撃は巧妙化し、脅威も増大しており、対策が喫緊の課題となっている。
一方、国内のユーザー企業で情報セキュリティ人材は約8万人が不足しているという。特に情報関連以外の製造業や卸売業・小売業、医療・福祉等の業種では人材不足が顕著で、セキュリティ人材の育成が急がれている。
経済産業省では今後必要となるセキュリティ人材として、①ホワイトハッカーのような高度セキュリティ技術者、②安全な情報システムを作るために必要なセキュリティ技術を身につけた人材、③ユーザー企業において、社内セキュリティ技術者と連携して企業の情報セキュリティ確保を管理する人材と指摘。人材育成の必要性を強調している。
国家試験「情報セキュリティマネジメント試験」は、情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通して組織の情報セキュリティ確保に貢献し、脅威から継続的に組織を守るための基本的なスキルを認定する試験。試験は午前・午後それぞれ90分の計180分で実施。業種や職種、部門を問わず、全ての企業・組織の部門内で個人情報を取り扱う担当者や外部委託の担当者、情報システム担当者などを主な対象者としている。また、「基本情報技術者試験」と同じレベル2の試験と位置づけており、レベル1の「iパス(ITパスポート試験)」を合格した次のステップとして活用されることを想定している。

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