軟包装分野の需要が堅調

2014年は0.2%増の1兆3,220億

矢野経済研究所は、「パッケージ印刷市場に関する調査結果2015」を発表している。それによると、2013年度のパッケージ印刷市場は、前年度比1.5%増の1兆3,193億4,300万円。また2014年度は、0.2%増の1兆3,220億円で、当面は横ばいないし微増を予測している。
パッケージ印刷の市場は、ようやく需要が回復傾向へ向かっている。この背景には、コンビニエンスストア向け製品の好調やプライベートブランド(PB)製品の増加など食品分野の需要の拡大があるほか、2013年度の第4四半期に消費増税前の駆け込み需要が発生したことも営業している。
紙器と軟包装でそれぞれみていくと、紙器は、省包装化の影響を大きく受けているほか、菓子などはマルチパックやファミリーパックが増加。個包装された製品の中箱用途として紙器に替わって軟包装が採用されるケースも増えている。バリア性や耐久性などの機能面での付加価値が低いことも減少基調の一因いう。参入事業者間での価格競争も激化しているが、まだ底堅い需要に支えられた市場でもある。
軟包装は省包装化の影響は受けにくく、他の包装材との比較でもバリア性などある程度の機能を担保でき、素材が軽量なため輸送コストなどの面でも優位性が高く、需要は安定している。しかし、ここ数年、原料の上昇や、電気・ガスなどのエネルギーコストの上昇、競合との価格競争、小ロット多品種化や顧客の印刷品質(色調など)への過剰要求によるロス率増加・生産効率の低下などが大きな問題となっている。加えて異業種からの参入の動きも加速しており、取り巻く環境は厳しさを増している。
当面は特殊要因が発生しない限り、横ばいか微増で推移することを予測しているが、高齢化、人口減少など長期的には縮小することが予測されている。

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