オフィス出力の管理をサービスする時代

2014年の市場規模は463億円、成長率は16.1%

IT専門調査会社IDC Japanは、国内マネージドプリントサービス(MPS)市場の2014年売上実績と、2019年までの予測を発表している。それによると2014年の国内MPS市場の売上額は462億6,500万円で、前年比17.7%の増加。また2014年~2019年の年間平均成長率は16.1%、2019年の市場規模を975億4,800万円と予測している。
MPSとは、企業のオフィス出力環境の現状を分析した上で、最適な出力環境を構築し、その環境を継続的に維持/運用していくアウトソーシングサービスを指す。MPS導入によって、出力環境に関するTCO(Total Cost of Ownership)の把握/削減、出力管理業務プロセスの効率化、環境負荷軽減などの効果が期待されている。全社レベルでのコスト削減や業務効率化に対するニーズの高まりもあり、期待されているサービスといえる。
なお同サービスは、すでに欧米を中心に市場が拡大しており、最近ではアジア太平洋地域をはじめとする新興市場においても大きな成長を遂げている。つまりワールドワイドの視点からも、オフィス出力におけるマネージメントが経営課題として取り組まれていることが傾向としてあるようだ。
なお、国内MPS市場のほとんどが従業員規模1,000人以上の大規模企業市場であり、売上額の90%以上を占める。産業分野別でみると、製造分野の比率が高い傾向は続いているが、今後、流通分野、金融分野の比率が伸びることが予測されている。
すでに多くのベンダーがこの市場に参入し、提供するサービスには大きな差がなくなってきているという。今後、競合に対する差別化対策として、運用実績やノウハウを強化する必要が出てくると見られており、そのためにも現場の運用担当者を組織的に支援する体制が重要になってくるという。

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