eラーニングのBtoC市場が拡大

大手事業者のサービスが市場拡大を牽引

矢野経済研究所は、「eラーニング市場に関する調査結果2015」を発表している。それによると、2014年度の国内eラーニング市場規模は、前年比120.8%の1,665億円と拡大する見込み。特に法人向けのBtoB市場が微増する一方で、個人向けのBtoC市場が大きく伸長し市場拡大を牽引した。
2014年度の市場の内訳は、BtoB市場が575億円で前年比101.2%、BtoC市場は1,090億円で同134.6%だった。BtoC市場は、通信教育、学習塾など大手教育事業者による情報通信技術を活用した学習コースの導入が進行したことなどが成長要因にある。特に学習専用タブレット端末を利用した学習コースが市場規模の拡大に貢献。スマートフォン、タブレット端末の急速な普及や、情報通信技術の向上により、個人向けのeラーニング市場に参入する事業者が増加し、提供サービスも拡大している。その一方で、インターネット上には無数の無料コンテンツも氾濫しているため、これらとの差別化や、低価格サービスの収益性についてなどの課題も残っている。
BtoB市場については、2013年度以降、大手ユーザー企業を中心に、eラーニングに対する投資が復調傾向にある。2014年度はWindows Server 2003サポート終了を要因とするラーニング・マネジメント・システムの切替・更新案件が活発化するなど、業者間での競合がある。一方、モバイル端末の活用などで、利便性も向上し、中堅規模企業の需要が活発化している。
2015年度は前年比100.6%と堅調に推移し、1,675億円を予測。4月にZ会がデジタル・ナレッジとeラーニングサービスの業務提携を発表するなど引き続きBtoC市場におけるサービスの増加が予想される。なお、増加傾向のサービスは、無料あるいは低価格で提供されるサービスが中心となり、市場規模は微増で推移すると予測する。

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