DM効果を科学的に実証

電子より紙、個人名を入れると興味湧く

トッパン・フォームズは、ダイレクトマーケティングの専門会社である株式会社ニューロ・テクニカと、ダイレクトメール(DM)に関する脳科学実験を、国際医療福祉大学の中川雅文教授(医学博士)の監修のもと実施した。それによると、紙媒体と電子媒体では脳の反応は全く異なることや、パーソナライズされた情報に関心を持つ、という傾向も判明したという。
同実験は、近赤外分光法(NIRS)を用いて、人がある特定の活動をするときに脳のどの部位が関わっているのかを調べることができる近赤外光イメージング装置を利用して行われた。DMに接したときの脳の反応を測定したところ、DMのメディアとしての特性や他のメディアと比べた優位性など、これまで実証されなかったことが脳の生体反応レベルで判明。同じ情報でも紙媒体(反射光)とディスプレー(透過光)では脳は全く違う反応を示したという。例えば、脳内の情報を理解しようとする箇所(前頭前皮質)の反応は紙媒体の方が強く、ディスプレーよりも紙媒体の方が情報を理解させるのに優れており、DMは連続的に同じテーマで送った方が深く理解してもらえることなどが確認された。
実験からは、自分の名前が書かれた印刷物を提示されると、被験者は意識せずとも強い関心を持ち、DM製作において効果があると言われていたノウハウ(個人名を目立つ位置に入れる)の正当性が科学的に判明。企業の顧客コミュニケーション戦略において、消費者向けにパーソナライズな情報を付与するOne to Oneマーケティングはコミュニケーションの精度を高めるために有効な手段であるという。
なお同社では、今回の脳科学実験により判明したデータの分析をさらに進め、そこから得られた知見を今後のダイレクトマーケティング戦略策定に活用していくとしている。

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