自治体の情報システム導入が進む

マイナンバー制度で2015年は前年比7%増

矢野経済研究所の行った「自治体向けソリューション市場に関する調査2015」によると、2015年度の自治体向けソリューション市場は前年度比7.0%増の5,740億円になると予測している。自治体向けソリューションとは、地方自治体で導入される情報システムのことで、ハードウェア、ソフトウェア、SI、サービスサポート、要員派遣などで、費目の中としては、機器購入費、委託費、安全対策費、各種研修費用などが該当する。
2014年度は、社会保障・税番号(マイナンバー)制度への対応の必要性から、自治体においてシステム改修の需要が拡大したが、制度対応への方針が決まらないことなどから導入準備が遅れ、システム設計の段階で留まっている自治体も多かった。そのため市場としては、前年度比4.3%増の5,364億円に留まる見込みとしている。一方、2015年度については、10月に国民へマイナンバーが通知されることから、マイナンバーを背景とした需要が拡大し、前年度比7.0%増の5,740億円になると予測。
しかし2016年度以降については、マイナンバー制度関連需要が落ち着きを見せる他、自治体クラウドの普及が改修コストや運用コストを低下させていくと想定され、市場規模は前年度比6.7%減。さらに2017年度に至っては前年度比0.1%減になると予測している。
これまで自治体クラウドは「セキュリティ面に懸念がある」「カスタマイズに制約がある」などの理由でサービス導入を躊躇する自治体が多かった。しかし、ここ数年移行のしやすさやコスト削減、他自治体との共同利用などを目的に、検討段階から実際の導入段階に移っている自治体が増えている。またマイナンバー制度への対応における選択肢の一つとしてクラウド化が用意されたことも、クラウド化を進める自治体の増加につながると見られている。

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