3月でクロネコメール便廃止へ

非信書限定で"クロネコDM便"、"小さな荷物"サービスも

ヤマト運輸は、「クロネコメール便」のサービスを、3月末日を目途に廃止することを発表した。「クロネコメール便」は、1997年から展開してきた配送サービスで、宅急便より割安な価格で、郵便ポストに投函されるというもの。価格を抑えている分、サイズや価格については、A4サイズ・厚さ1㎝まで82円、A4サイズ・厚さ2㎝まで164円と一律で確定。依頼する側にとっては冊子類などを送る手段として扱いやすいサービスとして定着していた。
今回のサービス廃止に至った背景には、メール便では原則扱えない手紙などの"信書"の問題がある。メール便では信書を送ることはできないのだが、メール便に信書などを同封した場合、送付した側と配送事業者が罰せられる。実際、郵便法違反容疑で警察から事情聴取を受けたり、書類送検されるというケースも発生しているという。しかし、この"信書"については、その他の書類等との線引きが曖昧で、"総務省の窓口に問い合わせても信書なのかどうか即答できない事例が多発している"(ヤマト運輸)。こうした曖昧なものを扱うリスクを回避するということもメール便廃止の理由にある。
なおメール便廃止にあたって、法人の顧客に対する書類配送のサービスについては、事前に内容を確認できるカタログ、パンフレットなどの非信書に限定して、「クロネコDM便」サービスとして継続するとしている。
一方で、メール便が多用されていることからも判るように、"小さな荷物"を送るニーズは増加している。そこで同社では、個人でも利用できる宅急便のサービスを拡充させる方針を打ち出している。新たに4月1日からスタートする予定で、①小さなBOXで安く手軽に送るサービスと、②薄くて小さな荷物をポストに届けるサービスの2つ。

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