地域の"子供たちの命を守りたい"でスタート

園児向け「ぼうさいえほん」と小学生向け「防犯絵本」制作

愛知県名古屋市の株式会社二和印刷紙業では、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として、園児向けの『ぼうさいえほん』と小学生低学年(1~3年生)向け『防犯絵本 つみきおに ちゃんとかえるもん』を制作し、無料配布するという活動を行った。
企業が消費者から社会全体に至るまであらゆるステークホルダーに向けた活動として注目されているCSRには、環境対応から地域振興まで様々なカタチがある。二和印刷紙業で取り組んだこのCSR活動は、"東日本大震災後、世の為、人の為に何が出来るのかと考えた時、この地域に園児向けの防災を学ぶ本が無いことを知りました"(愛知県印刷工業組合発行「あいちの印刷」11月号から)という発想からスタートしている。
紙や印刷の力で防災・減災に対する意識を高め、一人でも多くの子供の命を守りたい。そのツールとして紙媒体は有効であると痛感したと、取組みのきっかけについて触れている。昨年制作された『ぼうさいえほん』は、愛知・岐阜・三重の各県の防災担当課と教育委員会の全面協力を得て、約22万部が制作され、各県の園児に無料配布された。
『ぼうさいえほん』をきっかけにして、愛知警察から子供の連れ去り事件についての話から制作されたのが『防犯絵本 つみきおに ちゃんとかえるもん』。愛知県警察子ども女性安全対策課監修の下、約21万部を制作し、県内の公立小学校などに無料配布された。
2つの本の印刷と発送費については、「子供の命を守る」という理念に賛同した地域企業がスポンサーとなり負担している。スポンサー企業にとってもCSR活動の一環となっている他、教育事業を行っている企業では読み聞かせを行う教材としても役立てられた。印刷会社こそができるCSR活動として注目できる。

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