企業の動き【2014年11月】

リコーの最新PODを研修 ◆レインボウ

東京グラフィックサービス工業会・女性の会レインボウは、9月10日、東京・銀座のリコープリンティングイノベーションセンターで見学会&勉強会「最新PODビジネスモデルを学ぶ」を開催し、事例などを交えて、デジタル印刷機を活用したPOD(プリントオンデマンド)ビジネスを学んだ。勉強会では「最新PODのビジネスモデル」をテーマにしたセミナーで、リコージャパンスタッフがPOD機の特長を活かしたデジタル印刷の活用を解説。PODビジネスに取り組むポイントとして、顧客のニーズに応じた設備導入や商材の拡大、ネットワーク強化などを挙げ、制作物の役割を認識する必要性を説いた。

自社ブランドのタブレット発表 ◆DNP

大日本印刷は9月30日、東京都品川区のDNP五反田ビルで記者発表会を開催し、トータルカラーマネジメントソリューションの独自ブランド「IROMI」と法人向けオリジナルタブレット端末2機種を発表した。長年培った印刷の色管理技術を活かし、デジタル、紙媒体両方のカラーマネジメントを支援していく。

プロダクション事業に注力 ◆キヤノンMJ

キヤノンマーケティングジャパンは10月14日、東京港区の品川本社で記者会見を開き、プロダクション事業戦略を発表した。記者会見には同社の坂田正弘取締役専務執行役員らが出席し、ビジネスソリューションカンパニー部門の成長シナリオを説明した。記者会見で坂田取締役専務は「成長分野にリソースをかけていく」と述べ、コアビジネスである複合機やレーザープリンタを維持しつつ、プロダクション事業をはじめとする成長事業に商品力強化と拡販体制を図る戦略を示した。中でも収益基盤を担う事業にプロダクション事業を据え、商品ラインアップの拡充と拡販体制の構築を進めるとの方針を示した。

大判出力の新工場が竣工 ◆サインアーテック

サイン・ディスプレイ業界で屈指の設備と生産力を持つサインアーテック(埼玉県飯能市、山口健二郎社長)の新工場が8月8日に完成した。新工場にはインクジェット出力機30台が稼働し、印刷会社のSPビジネスを強力に支援する。新工場は1階にインクジェット出力機、縫製・加工設備、2階にデザイン・生産管理センターを配置する。2回の管理センターは全ての仕事がデジタルサイネージで管理され、「生産現場全体を見渡し、モニターで情報を共有化しコミュニケーションを良くした」と山林専務。加工設備では10メートル自走式のウェルダー、NSKオートカッティングマシン、ハイブリッドウェルダー、高周波ウェルダー、ハトメ打ち機3台、熱板式大型連続溶着機、工業用ミシン5台など加工設備を持つ。山林専務は「加工作業は大きな音が出るが、工業団地であるため、真夜中の作業も可能になり、さらなる納期短縮も可能になった」と新工場のメリットを述べている。

3社を子会社化 ◆東京リスマチック

東京リスマチックは9月22日に(株)美松堂(東京都文京区/冨田三起男社長)、9月26日に(株)メディコス・エンタテインメント(東京都新宿区、林ちどり社長)、9月29日に(株)エム・ピー・ビー(東京都板橋区、神茂社長)の株式取得を決定し、子会社化した。美松堂はオフセット印刷を中心に、DTPから加工・製本までのシステムを備えた総合印刷会社。茨城県つくば市に大規模な輪転印刷設備を持つ。平成26年4月期の売上高は84億8,032万円。東京リスマチックは事業領域の近い美松堂を企業グループに加えることで、事業領域の拡大、両社が保有する経営資源と印刷技術を融合し、企業価値の一層の向上を図る。

持ち株会社制に移行 ◆東京リスマチック

東京リスマチックは来年1月5日、単独株式移転による純粋持株会社体制に移行する。株式移転に伴い、完全親会社として「株式会社日本創発グループ」を設立する。同社はIT技術等の技術革新を起因とする需要の変化が予想される中で、M&Aを進めてきた。今回、グループ全体の最適化を目的とした意思決定や経営資源配分、グループ各社の役割の明確化と事業責任の徹底、M&Aなどを活用した事業領域の拡大、または機動的な組織再編など、グループ全体の企業価値向上のための経営体制の構築が不可欠であると考え、持株会社制へ移行することになった。

糊のないプリンタ用粘着シート ◆ムトウユニパック

ムトウユニパックは、屋内外共用の高品質サインシート「レザプリタック」を発売した。レーザープリンタで出力できる屋内外対応のサインシートとして、印刷会社が販売会社となる場合、代理店卸売価格で提供する。新製品の「レザプリタック」はレーザープリンタで出力できる糊を使わないサインシート。オンデマンド印刷機やオフィス用のプリンターなどあらゆるレーザープリンタで出力できる。糊粘着ではないため、手軽に貼れ、貼り痕を残さないで簡単に剥がせる。耐水性、耐候性に優れ、車両、看板、ウィンドウなどに貼りつけられるので、屋内外を問わず使用できる。また、一般財団法人化学研究所評価機構、高分子試験・評価センターの試験で合格を受け、食品衛生法をクリアしていることから、厨房内での使用も可能。店舗から看板、車まで幅広い分野で使用できる。

上海にテクノロジーセンター ◆コダック

イーストマン・コダック社は9月12日、中国・上海に、同社のテクノロジーとソリューションを集約した「アジア太平洋地域テクノロジーセンター」を開設した。コダックの最先端の印刷業界向け製品ラインアップおよびソリューションのデモンストレーション、従業員や顧客、パートナー向けのトレーニングに加え、顧客が実際に作成した印刷アプリケーションを紹介することで新たなビジネスモデルを提案する。同センターの敷地面積は1000㎡。「Kodak Sonoraプロセスフリープレート」(日本未発売)、「Kodakトレンドセッター800」、「Flexcel NXシステム」、「NexPressデジタルプロダクションカラープレス」、「Prosper S10インプリンティングシステム」、「Prinergyワークフロープリントプロダクションソフトウェア」など多彩な最先端システムのデモンストレーションを見ることができる。

圧着の関東工場が稼働開始 ◆メイセイプリント

圧着DMのメイセイプリントは10月1日に関東工場(東京都板橋区三園)を開設し、本格稼働を開始した。第二の生産拠点を東京に設置し、圧着DM需要の幅広いニーズに応える。関東工場は荒川を挟んで新大宮バイパス、首都高速5号線がすぐ近くを通る東京都の三園浄水場近く。以前は製本会社が入居していた2階建てビルをリニューアルした。1階が新設のニスコーター付四六半裁判4色オフセット印刷機「RYOBI 750G」、イトーテック断裁機を設置。2階は営業部とプリプレス、加工。CTPは富士フイルムグローバルグラフィックシステムズの四六半裁判サーマルプレートセッター「Luxel T-6300」、加工部門が正栄機械製作所の紙折機オリスター、ハママツの圧着加工機。本社工場から伏見孝雄氏が工場長、山中政典氏が営業部長として関東工場に赴任。関東工場は圧着ハガキV折月産100万通の能力を持ち、本社工場のニス圧着月産DM500万通、宛名印字300万通、ふち糊メーラー100万通の生産体制を整えた。

ムーミンのあゆみでフォーラム ◆モリサワ

モリサワは、10月20日、大阪本社4F大ホールで第14回モリサワ文字文化フォーラム「トーベ・ヤンソンとムーミンのあゆみ」を開催した。当日はテレビ会議システムを利用して大阪会場の講演を東京本社で中継した。講師のフィンランド美術史研究家で作家のトゥーラ・カルヤライネン氏は、『ムーミン』を生んだトーベ・ヤンソンの研究家。今年から来年にかけてトーベ・ヤンソン生誕100年を記念して日本全国で開催中のムーミン展『生誕100周年 トーベ・ヤンソン展~ムーミンと生きる~』にあわせて来日している。講演では、トーベ・ヤンソンが得意としていた風刺画の制作からムーミンの登場人物のことなど、様々な角度から作品の魅力が語られた。

バナナ繊維紙のエコイベント ◆プラネット・ペーパー協議会

バナナペーパーの「ワンプラネット・ペーパー」を推進するワンプラネット・ペーパー協議会は10月16日から18日まで、東京都港区虎ノ門のエコメディアサロンで、環境と社会に価値を生み出すバナナペーパー展示会「プラネット・ペーパー・フェス」を開催した。今回の展示会は独自イベントとしては初の試み。バナナペーパーとは、オーガニックバナナの茎から採ったバナナ繊維を使用したフェアトレード紙。アフリカで通常は廃棄されているバナナ繊維を原料とし、日本の和紙技術を活かしてつくられる。またワンプラネット・ペーパー協議会は、ザンビア産のバナナペーパーを使った商品開発や営業力、環境と社会に配慮した紙に関する研究や意識啓発を推進する企業ネットワーク。

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