新プラットフォーム電子書籍市場がケータイ市場を逆転
電子書籍＆電子出版は2017年に2,700億円へ
株式会社インプレスビジネスメディアのインターネットメディア総合研究所が発表した電子書籍の市場規模の推計結果によると、2012年の電子書籍市場規模は729億円で、前年度から約100億円（15.9％）増加した。特にスマートフォンやタブレットなどの新プラットフォーム向け市場が、ケータイ向け電子書籍市場の落ち込みを上回るほど急速に拡大し、2010年度から2011年度に一時的に落ち込みをみせた電子書籍市場規模が再び拡大基調へ転じた、としている。
なお、新たなプラットフォーム向け電子書籍市場は、前年比228.6％増の368億円と推計。この背景には、スマートフォンやタブレットユーザーの増加に加え、楽天Koboや米国アマゾン社のKindleといった海外事業者の参入をきっかけとして一般消費者への認知が広がっていることや、コミックを中心とするタイトル拡充などによる急成長がある。また、ケータイ向け電子書籍のノウハウを活かしたライトユーザー向けの電子書籍ストアも好調に続いていることも挙げられている。こうしたことから新プラットフォーム向け電子書籍市場は、市場全体の50.5％となり、急速に落ち込んでいるケータイ向け電子書籍市場を逆転した。
2013年度以降の国内の電子書籍市場は、ケータイ向け市場は減少傾向で推移する一方、新プラットフォーム向け市場を中心に移行。2017年度には2012年度の約3.3倍に相当する2,390億円に成長し、2013年度以降は本格的な拡大期に入ると予測している。
電子雑誌市場についても、大手出版社の雑誌の電子化も本格化し、月額課金モデルのコミック誌の配信なども始まっており、今後は配信雑誌数が増加。新たなビジネス展開も想定され、2017年度には330億円へ市場は拡大。電子書籍と電子出版を合わせた市場は2,720億円になると予測されている。
