2013年度の市場規模は2.9%増

ソリューションビジネスでの活用に期待

矢野経済研究所が発表した「デジタル印刷市場に関する調査結果2013」によると、2012年度のデジタル印刷市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比5.1%増の2,818億円となった。2013年度は同2.9%増の2,900億円。2014年度は同1.2%増の2,935億円と予測する。
需要動向自体は2年前と大きく変わらない中で市場を押し上げていた震災関連の需要が徐々に減少していることから、市場は再び減少に転じることも考えられる。しかし、市場環境の厳しさが増す中で、従来の印刷ビジネスの延長から脱却を図る動きが強まっている。今後、各印刷会社が市場の変容に付いていくことが、自社のデジタル印刷サービス事業の成長に繋がり、引いては市場拡大を左右する、としている。
印刷業界全体的には、外部環境の悪化に加え、ITメディアの成長により、引き続き紙媒体の相対的な価値低下が顕在化している。デジタル印刷は、「小ロット・短納期」、「オンデマンド」、「バリアブル」といった従来の印刷サービスを補完するメリットを持つ他、IT技術や付帯サービスを組み合わせることで新サービスの創造を可能にするなど、ソリューションビジネスとしての可能性に対する期待が大きい。
こうした中で、大手印刷企業を中心に、受託業務内容を拡大したビジネスプロセスアウトソーシングサービスが増加傾向にある。また、カタログ・パンフレットや教材、マニュアル、POPなどの印刷でも、デジタル印刷単体ではなく、オフセット印刷案件やその周辺サービス、またはそれらにIT技術を付加させて複合的に提案し、顧客の業務をワンストップで請け負い、自社の売上拡大に繋げている印刷会社が増加している。
詳細については矢野研発刊の『オンデマンド印刷市場の展望と戦略2013年版』に掲載されている。

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