業界の動き【2013年9月】

用紙値上げで発注のお願い状 ◆全印工連・東印工組

全日本印刷工業組合連合会ならびに東京都印刷工業組合は5月以降、印刷用紙の値上げが全国的に始まったことを受け、「印刷物ご発注に関するお願い」状を作成し、組合員に提供している。「印刷物ご発注に関するお願い」は印刷発注者に対し、印刷用紙の価格変更の経緯、背景を記載し、発注時の理解を求めるもの。お願い状の利用方法は、東印工組ホームページ組合員専用ページからダウンロードする。

印刷の月でPower Print発表 ◆日印産連

日本印刷産業連合会は、9月18日、東京都千代田区のホテルニューオータニで開催する「2013年9月印刷の月」の記念式典で、印刷の価値を再確認するための冊子「Power Print2013」を発表する。日印産連では、今年度事業の柱の一つとして、「Power Print2013」の制作を掲げていた。同書は、印刷の価値を改めて再確認し、印刷産業としてさらに飛躍、発展していくための一冊としてまとめられる。「印刷」に関する欧米の取り組みを整理しながら様々な論点を汲み取るとともに、日本国内の印刷関連メディアの試みや、脳科学へのアプローチなどを加味し、「印刷」の持つ力を再発見するための書籍という位置づけになる。

印刷の月ポスターの入賞作発表 ◆日印産連

日本印刷産業連合会の2013年印刷の月PRポスター公募で、共同印刷SP&ソリューションセンターの光田亮介さんの「MADE IN JAPAN PRINTING」が最優秀作品に選ばれた。最優秀作品は、日本人の誇りであり、品質の確かさを表した「MADE IN JAPAN」と「PRINTING」を組み合わせた造語。「こんなところにも日本の印刷技術が!」と世界を驚かす力を生み出す、印刷産業の様々な役割の人たちを、ドラマチックにビジュアル化した作品に仕上げられている。

発注の手引きを策定 ◆岐阜工組

岐阜県印刷工業組合がホームページ上で公開している「印刷物発注の手引き」が注目を浴びている。「印刷物発注の手引き」は、岐阜工組の不公正取引対策委員会が、官公需改善活動の一環として県の発注担当者向けに作成した動画コンテンツ。岐阜県庁が印刷物の発注に使用している「印刷物仕様書」についての記入例を解説している。動画は1つのチラシを例題に、チラシを発注するための具体的な書き方を仕様書の順番に沿って説明。仕様書の流れに沿って、14の動画に分割されており、仕様書の記入に関して不明な点だけを視聴することも可能。

情報通信市場は82.7兆円 ◆総務省

総務省が7月に発表した『平成25年版情報通信白書』によると、平成23年の情報通信産業の市場規模は82.7兆円で全産業の9.0%を占め、全産業の中で最大規模の産業になっている。そのうちコンテンツ市場の平成23年の規模は、11兆1,600億円。市場構成比では、映像系ソフトが5割、テキスト系が4割強、音声系が1割弱の内訳となっている。全体の43.1%を占めるテキスト系ソフトの主な内訳は、新聞記事が1兆6,409億円、フリーペーパーを含む雑誌ソフトが1兆2,271億円、書籍ソフトが7,193億円、コミックが4,933億円、テキスト系ネットオリジナルが3,912億円、データベース記事が2,936億円で、市場規模の推移でみるとほぼ横ばいになる。

中小印刷業界の議員連盟 ◆全印工連・全印政連

全日本印刷工業組合連合会は、全日本印刷産業政治連盟(森永伸博会長)を通じて、政権与党の自由民主党内に中小印刷産業議員連盟(仮称)の設立を要望している。印刷業界の地位向上と中小印刷会社への支援については、業界団体が政策要望など行政側に提言し、これを実現させるため、国会議員の後押しが望まれている。そこで、全印工連は、普段から国会議員との勉強会などを通じて連携強化を図れる組織として、議員連盟の設立を要望するに至った。

ビジネスアイデアを募集 ◆東京グラフィックス

東京グラフィックサービス工業会は、「東グラフェスタ~アイデアの祭典~ビジネスアイデアコンテスト2013」を開催する。東京グラフィックス青年部のFACEが発案したもの。自社ではカタチにできない、具体的なカタチにまで落とし込めないけれど「こんなこともできるのでは?」というアイデアを集めて優秀な案を表彰する。コンテストとしての顔を持つ一方、そのアイデアを実際にビジネス化していくきっかけとしての役割も期待している。8月から案を募集し、10月末に締切ったあと、展示投票、書類審査による第一次審査、プレゼンテーション大会の二次審査を経て、各賞を決定する。

地域活性化のビジネスガイド ◆JAGAT

日本印刷技術協会はこのほど、印刷会社の地域活性ビジネス入門ガイド「印刷会社と地域活性―事例とデータから見る地域活性ビジネスのヒント―」を発刊した。同書は「地域活性ビジネスは印刷会社に向いているのか、どのような取り組み方法があるのか、利益は得られるのか」といった視点からまとめられている。

ワークショップ盛況に ◆印刷加工連

都内印刷関連加工業6社で結成する印刷加工連は8月10日、東京都渋谷区のFabcafeで、ワークショップ&トークイベント「印刷加工レンジャーと、秘密の工作基地」を開催した。イベントでは、実際に現場で使われている紙加工機の実演やオリジナルステーショナリーなどの商品販売のほか、子供向けの「オリジナルノート作りワークショップ」、大人向けの「印刷加工連トークイベント」も実施した。

赤字幅縮小も厳しい財政運営 ◆全印健保

全国印刷工業健康保険組合は、7月26日、全印健保会館で第153回組合会を開催し、実質収支差引額7億8,500万円の赤字、経常収支差引額19億7,400万円の赤字となる平成24年度決算ならびに事業内容を確認した。赤字は5年連続。平成24年度は実質収支28億円余の赤字予算を策定していたが、保険料率の引き上げ、組合財政支援交付金、保険給付費の減少により、赤字幅は改善された。ただし高齢者医療制度の納付費等の増額や組合員の減少により、引き続き厳しい財政が続いている。

造本コンの表彰式 ◆日印産連・書協

日本印刷産業連合会と日本書籍出版協会が主催する第47回造本装幀コンクールの表彰式が7月5日、東京・有明で開催された東京国際ブックフェア会場で行われ、文部科学大臣賞の「われた魯山人」(フォクシー、八紘美術)、経済産業大臣賞の「アルケオメトリア 考古学遺物と美術工芸品を化学の眼で透かし見る」(東京大学総合研究所博物館、山田写真製版所)をはじめ入賞作品を表彰した。今回の造本装幀コンクールには149者366点の応募があり、厳正な審査の結果22作品が選ばれた。

新執行部が抱負を語る ◆東京正札シール

東京正札シール印刷協同組合は8月8日、東京・上野の上野精養軒で記者懇談会を開き、先の通常総会で就任した田中浩一理事長、田中幸晴副理事長、田中祐副理事長が新執行部の抱負を語った。新年度の重点事業は、組合に投げかけられた案件やセミナーなどの情報を発信するためのメーリングリストの作成や、多くの組合員も参加したくなるような勉強会の開催など。技術関連ではCTPと間欠輪転機の導入が進んでいることから、そのメリットとデメリットについての調査と、引き続きデジタル機の勉強を行う。

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