アマゾン創始者がワシントン・ポスト買収

大手メディアを変革させるのか

米国を代表する新聞社のワシントン・ポストが、インターネット通信販売会社であるアマゾンドットコムの創業者・会長兼CEOのジェフ・ベソス氏に買収される。買収額は2億5千万ドル。ちなみに今回の買収にアマゾンドットコムは関与していない。
ワシントン・ポストは全米第5位の新聞社で、かつてウォーターゲート事件のスクープで国際的な名声を獲得した。しかし、近年はIT化の影響を受けて収益が悪化。インターネット配信ビジネスの模索もしていたようだが、同社の新聞事業はこの6年間で広告収入と購読者の減少により44%も営業収益が減るなど低迷していた。
米国新聞業界全体も、インターネット時代の新しいビジネスモデルを打ち出せていない。ネット媒体の台頭で、紙のマスメディアとしての新聞市場は縮小傾向にある米国ジャーナリズムも構造変化を避けられない。
アマゾンのジェフ・ベソス氏は米国の書店・出版業界に構造変化の波をもたらした張本人。書籍のネット販売で事業を拡大したほか、近年では電子書籍事業を立ち上げ、電子書籍リーダー「Amazon Kindle」により書籍のデジタル化を推進してきた。既成秩序を乱したとの評価もあって賛否両論があるものの、閉塞感のあった書店・出版業界にイノベーションをもたらしたことは否めない。
そのジェフ・ベソス氏がワシントン・ポストを買収するとあって、新しいビジネスモデルを見いだせない新聞業界に新風を巻き起こすのではないかと期待されている。優良のコンテンツと、メディアとしてのブランド力を持つ大手新聞社。新興のネット媒体が先行する中、どのように遅れを取り戻し、再建していくのか。ワシントン・ポストとベソス氏の動向に注目される。

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