業界の動き【2013年6月】

クラウドでデータバックアップ ◆全印工連

全日本印刷工業組合連合会は全国の組合員を対象に10月からTooとタイアップした「クラウドバックアップサービス」を開始する。「クラウドバックアップサービス」は、印刷や顧客から預かっている重要なデータをクラウド上でバックアップするサービス。Tooが提供する同サービスを利用したもので、ソフトをインストールし、バックアップするファイルを選択するだけの「簡単操作」、東京と北九州の2拠点のデータセンターの分散バックアップと、高度なデータ自動暗号化システムによる「安心・安全」「リーズナブル」の3つの特徴を備える。全印工連は東日本大震災以降、今後も国内で大規模災害が予想されることからBCP(事業継続計画)の策定を推進している。BCPを考える際、顧客から預かっているデータや在版データの保管が重要になる。一般のデータのバックアップサービスは1TBにつき月10万円程度の利用料がかかり、中小企業には利用しにくかった。全印工連がこれを事業化することで、低価格のバックアップサービスが利用できるようになる。

印刷業界の女性活用で講演会 ◆印刷工業会

印刷工業会は会員企業の発展と業界の地位向上のため、女性の活躍の推進を目指している。4月23日、東京都港区の明治記念館で開催した印刷工業会トップセミナーでは、「女性の力を活かした経営のために」をテーマに、経済産業省経済産業政策局経済社会政策室の坂本里和調査官が、経済産業省が推進する多様な人材を活用するダイバーシティ経営の必要性とそのイントロダクションになる女性活躍の推進について講演。行き詰った経済産業構造を打開するための最初の一歩として女性の活躍を推進する諸施策や企業の取り組み事例などを紹介した。

良きロビー活動を ◆全印政連

全日本印刷産業政治連盟は4月23日、第16回通常総会を開催し、平成24年度事業報告及び収支決算と平成25年度事業計画、収支予算を原案通り承認した。前年度は衆議院選に合わせて31名の候補者に推薦状を発行した。また、陳情活動として「競り下げ法案」の断固反対を表明するなど、政策への要望を提出した。今期は引き続き、中小印刷業界の政治的課題の抽出と提案活動や、国会議員との連携の強化を図っていく。冒頭、全政連の島村博之副会長は「米国や仏国の印刷工業組合はロビー活動に力を入れている。全印工連では基本的にロビー活動ができないため、全政連がある。地域ごとに努力してきたが全国的に活動出来ていたかについては疑問が残る。これからは全国規模で印刷業界のために議員の方に働いてもらい、国に対し声をあげていきたい。実績はまだないが、良いロビー活動が出来る団体になればと思う」と開催挨拶を述べた。

GP基準を見直し ◆日印産連

日本印刷産業連合会は、4月25日、「印刷サービス」のグリーン基準の改定を行い「労働安全衛生への配慮」と「緊急時への対応」の項目を追加した。基準改定の対象は、オフセット印刷、シール印刷、グラビア印刷(軟包装)、スクリーン印刷全てのグリーン基準。6ヶ月間の周知期間の後、10月25日から実施する。この改定により、グリーンプリンティング認定工場(GP認定工場)の新規、更新認定で改定基準が適用されるようになる。

会員情報ブックを発行 ◆GC東京

東京グラフィックコミュニケーションズ工業組合は、役員の企業紹介をまとめた「会員情報ブック2013 List Of members」を発行した。同冊子は、「経営環境の基盤強化に関する事業の推進」の一環として、事業戦略部会が編集、制作、発行した。多種多様な事業を展開する企業が集まるGC東京の特徴を活かし、組合員同士の相互の協力、提携によるビジネス拡大を図るため、各社の持つ仕事の専門性や特徴を紹介する目的で制作された。

東北は一つ”秋田総会開く ◆ジャグラ東北地協

日本グラフィックサービス工業会東北地方協議会の「第53回東北地方協議会秋田総会」が4月26日、秋田市内の秋田キャッスルホテルで開催された。東日本大震災から2年2ヵ月が経過し、東北6県の会員が「東北は一つ、ジャグリストの絆を大切に、支え合い共に前へ」など4つのスローガンを掲げて力強い一歩を踏み出した。熊谷正司会長は「印刷物の付加価値を高めることが我々に求められている」と今後の方向を示唆した。総会ではジャグラ本部理事に熊谷正司氏(秋田県・㈱くまがい印刷)、監事に田端章氏(宮城県・田端印刷㈱)を選出した。次年度は山形県支部が開催する。

今夏の参院選出馬へ ◆山崎泰氏

ジャグラ会員で東京グラフィックス前理事、前新宿支部長の山崎泰(たい)氏(㈱TFSパートナーズ代表取締役)が、日本維新の会参議院比例区で、今夏の参議院議員選挙への出馬を表明した。山崎泰氏は、5月20日開催の東京グラフィックス新宿支部総会で支部長を辞任。出陣式の様相となった総会後の懇親会で、出馬への意欲を力強く語った。

CFPの認証取得へ ◆日本WPA

日本WPAは4月25日、事業説明会「システム認証推進会議」を開催し、今年度の重点事業として掲げるカーボンフットプリント(CFP)のシステム認証の取得に向け、参加企業15社を確定した。CFPは、製品の原材料調達から廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算し、「見える化」する仕組み。CFP-PCR認定は、同一商品又はサービスの種別ごとに共通したLCA(ライフサイクルアセスメント)算定基準を指す。

業務提携に向けて協議 ◆廣済堂、金羊社

廣済堂と金羊社は、業務提携に向けた協議に入る基本合意を締結した。廣済堂グループ(同社及び関係会社)は、主として印刷関連事業のほか、人材関連事業、出版関連事業、葬祭関連事業等を行っている。一方、金羊社は、創業以来製版からオフセット印刷・製本・加工に至る総合印刷会社として、オーディオ、ビジュアル、ゲーム関連のエンタテインメントパッケージ業界で常にトップシェアを有している。両社は、共に印刷事業を展開する上で、重複する事業領域が少ないことから、両社の強みを活かしつつ、協力関係を構築し、業界の活性化、顧客満足の拡大を模索してきた。両社は、これらの企業及び経営理念の実現に向けて、それぞれの更なる事業の発展に資するシナジーを生み出すことを目的に、業務提携に向けた基本合意書を締結した。

再建に向け大きく前進 ◆コダック

米国イーストマン・コダック社は4月30日、連邦破産裁判所に再建計画書と開示説明書を提出した。再建計画書と開示説明書では、コマーシャルイメージング業界におけるリーダーシップの維持・強化に向けた経営再建後の事業計画の詳細を説明。このほかに開示説明書には、コダックの沿革や債権者に対する分配の提案および財務予測が含まれている。両文書では、コダックの最大の債権者である英コダック年金プラン社(KPP)との間で包括的な和解合意に達したことも記載。パーソナライズドイメージングおよびドキュメントイメージング事業をKPPに売却し、請求額28億ドルを清算する内容が含まれる。なお、米連邦破産法第11章からの経営再建は、第3四半期となる見込み。

CSI指標で10年連続採用 ◆コニカミノルタ

コニカミノルタは、このたび、社会的責任投資(SRI)において世界で最も良く知られる指標のひとつである「FTSE4Good Global(フィッツィーフォーグッド・グローバル)」インデックスに10年連続で採用された。「FTSE4Good Global」は、イギリスに拠点を置くFTSEグループが、世界の企業を対象に「環境」「社会」「コーポレートガバナンス(企業統治)」などの側面から独自に評価し、高い基準に合致した企業のみをインデックスに組み入れ、企業の社会的責任(CSR)や持続可能性に関心を持つ投資家やSRIファンドの選択基準として提供するもの。これにより、投資家は国際的に認められた一連の社会的責任基準を満たす企業に投資する指標を得ることができる。

印刷創世研究会第11期を修了 ◆FFGS、富士ゼロックス

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズと富士ゼロックスのプリンティングカレッジ「印刷創世研究会」の第11期修了式が4月19日、富士ゼロックス六本木ティーキューブで行われた。今回の11期生は10社10名の経営幹部が参加した。印刷創世研究会は次代を担う経営幹部を養成する経営戦略の立案と実行のための教育研究会で、富士ゼロックス総合教育研究会が後援している。

印刷会社の固定費削減を提案 ◆シナジーコミュニケーションズ

印刷会社の固定費削減を提案するシナジーコミュニケーションズは、6月7日、8日の両日、福岡国際センターで開催される九州印刷情報産業展に、LED照明やデータチェックアウトソースなどを出展する。「印刷現場の固定費を削減致します」をコンセプトにLED照明による電力コストの低減、「印刷データチェックアウトソース」による作業時間の軽減、「無停電電源装置」による緊急時の電力確保を提案する。

中国に表面処理加工の新拠点 ◆セイコーエプソン

セイコーエプソンのグループ会社であるSingapore Epson Industrial Pte. Ltd.(以下SEP)は、高付加価値の表面処理加工事業を拡大するために、中国江蘇省鎮江市に生産・営業の新拠点となるEpson Surface Engineering Co. Ltd.(以下ESEZ)を設立した。ESEZがこのたび顧客からの受注生産を開始。SEPはエプソンの情報画像事業やウオッチ事業の生産拠点としての役割を担っている。

グラビアインキ価格を改定 ◆東洋インキ

東洋インキは、グラビアインキ製品およびラミネート接着剤製品について、2013年6月1日出荷分より、価格改定(値上げ)することを決定した。同社グラビアインキおよびラミネート接着剤の主原料である溶剤、樹脂、顔料などの素材価格はここ数年来、高止まりの傾向にあった。同社ではグローバル調達も含めた原料仕入先の見直し、一層の生産合理化など、あらゆる面でのコスト削減施策に取り組んできた。しかし、昨年末からの急激な為替変動やナフサ価格の上昇により、これらの素材価格がさらに急騰し、この傾向は今後も続くものと懸念されている。原材料コスト上昇は、予想を大幅に超え、自社努力による吸収の範囲を遥かに上回る状況であると判断し、やむを得ず価格改定を決定した。

広報誌が広告賞で銀賞 ◆理想科学工業

理想科学工業の広報誌『理想の詩』(2012夏号~2013年春号)は、一般社団法人日本BtoB広告協会が主催する第34回「2013年日本BtoB広告賞」PR誌の部で銀賞を受賞した。同賞は、BtoBコミュニケーションツールとしての訴求性や制作技術等を総合的に審査するコンクールで、広報誌『理想の詩』の受賞は今回で5回目。同誌は、1978年に創刊。以来35年間、多くの人に理想科学を知ってもらうことを目的に、コミュニケーションをテーマとし情報を発信している。年4回季刊発行。発行部数約12,000部。

クラウドプリントを強化 ◆富士ゼロックス

富士ゼロックスは、クラウドを活用したビジネスコミュニケーション支援サービス「SkyDeskサービス」の「SkyDesk Docs(オンライン文書共有管理)」内のファイルを、「ネットプリント」やオフィスの複合機やプリンターで印刷可能にするiOSモバイル端末向けアプリ「SkyDesk Print」の無料提供を開始した。iOSモバイル端末向け「SkyDesk Docs」は、クラウド上のファイル保管領域に保管、管理されている、様々な文書やファイルを閲覧したり、端末内の画像をアップロードすることが可能なアプリ。

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