『モーニング』を電子配信

月額500円で紙媒体よりもお得

講談社とポータルサイトを運営するエキサイトは、共同で5月16日、アップルコンピュータ社のアプリ配信サイト・アップストアでiOSの月額課金モデルを用いたiPad・iPhone対応アプリ「Dモーニング」の配信を開始した。
「Dモーニング」は週刊コミック誌史上初となる定期購読サービス。『社長 島耕作』や『宇宙兄弟』『GIANT KILLING』など、人気連載作品を柱とする300ページを超えるボリュームを配信する。発売は「モーニング」と同じ毎週木曜日。月額500円で月平均4回の配信を提供する。
「Dモーニング」では、創刊号よりオリジナルコンテンツとして『山下和美名作読み切り劇場』の連載を開始。23日配信号からは『沈黙の艦隊』の復刻連載を開始するなど、今後も話題作が登場する。さらに、最新号をダウンロードしている間だけ閲覧ができるダウンロード連載『ねこだらけ』も配信する。
アプリのダウンロードは無料。初めてダウンロードする場合、1週間のお試し期間中1号分を無料で購読できる。購読登録後はバックナンバーのダウンロードが可能となり、読み逃した場合も、いつでも読むことができる。
「週刊モーニング」は1冊330円。電子版は月平均4回分が配信されるため、雑誌形態よりもお得。しかし、人気連載の『バガボンド』や『BILLY BAT』は配信されないため、ネット上で批判の声も上がっている。
週刊コミックの電子化は、人気連載が配信されないとはいえ、紙の雑誌の売上への影響も懸念される。一方、印刷しない分だけ、制作コストが下がることに加え、これまで「モーニング」を読んでいなかった読者層に配信が広がる可能性もある。電子雑誌のビジネスは成功するのか。講談社の挑戦に注目していきたい。

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