製紙各社が印刷用紙引き上げ

電気料金改定とダブル

3月5日、日本製紙が印刷用紙の価格引き上げを表明したのを皮きりに、製紙メーカー各社が4月中旬以降、印刷用紙価格の引上げを相次いで発表した。
今回の価格改定理由については、東日本大震災以降、国内の用紙需要の減退と輸入紙の流入が増加し、市場価格が下落したことを挙げる。このような状況を踏まえて、コスト削減や機械の一部停止などの努力を行ったものの、製紙メーカー各社の収益が悪化していることから再生産可能なレベルまで価格を引き上げることになった。
引き上げ対象となるのは、上質紙、上質コート紙、軽量コート紙、微塗工紙など。改定幅はほぼ一律で現行価格のプラス15円/㎏となっている。日本製紙、大王製紙、北越紀州、三菱製紙は4月21日出荷分から。王子製紙は5月1日出荷分から、20%以上の価格引き上げを発表している。今回の価格改定により、用紙価格は、東日本大震災前までの価格に戻る。
一時期、価格の面から需要が増加していた輸入紙は、生産元のアジアで原料のパルプの価格が高騰していることに円安が加わり、価格改定を余儀なくされている。また、一部報道によると、原燃料価格も上昇していることから、秋以降に再度、印刷用紙の価格改定する考えも示している。
資材価格の値上げに加えて、4月から円安により燃料や原材料の輸入価格が上昇しているため、全国的に電気料金が引き上げられる。エネルギー関連の価格改定では都市ガスも発表している。
国内景気が上向く兆候を見せ始める一方で、印刷業界は資材価格や電気料金の値上げが重なり、引き続き利益を確保するのが困難になっている。景気回復によって印刷需要が大幅に増加することは望めない。顧客への価格転嫁も難しい。国内全体がにわかに活気付いても、油断できない状況が続く。

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